ACTIVITIES OF CURRENT STUDENTS & GRADUATES在校生・卒業生の活躍

作品名 「サー・アルフレッド・ジョゼフ・ヒッチコック」
学科名 特殊メイク学科
作者 右田 淳
プロフィール

在籍専攻・コース:特殊メイク専攻
卒業年月:2016/3

インタビュー

ズバリ!作品のテーマは?

「サー・アルフレッド・ジョゼフ・ヒッチコック」という、イギリスの映画監督、映画プロデューサー、脚本家であり、映画史上最も影響力のある映画監督のひとりと言われている人をテーマにして、まるで生きているかのようなダミーを制作しました。


そのテーマにした理由を教えてください。

映画が好きなため、映画のシンボルになる監督を制作しようと思ったからです。アルフレッド・ヒッチコックは、60年にわたるキャリアの中で50本以上の長編映画を作っているのですが、彼の作る映画はどれも作家性と商業性のバランスがとても良く、自分の目指すクリエイター像に1番近い人物だったため、彼を選びました。


作品に込めた「想い」を教えてください(誰に、何を伝えたかった、などもあれば)。

基本的に人は何を考えているかわからないし、わざわざ人と向き合わなくても良いシチュエーションもまた多いと思っています。しかし、作品に落とし込むことで、鑑賞者は作品が何を考えているのだろうと主体的に想像し始めることができます。ネットの普及やコロナの影響で、より他者との距離感があやふやになっている昨今、改めて「他人のことを想像する」ということはどういうことかということを問いたかったのです。


一番チカラを注いだポイントを教えてください。

作品そのものにこだわるのはもちろんですが、実はヒッチコック本人のバックグラウンドについて調べることに1番力をそそぎました。作る対象を完全に理解しなければ当然良い作品は作れないので、資料集めは徹底的にしました。学生時代に粘土彫刻の彫塑実習や、デッサン実習で模写する能力を身につけることができたので、こういった資料に写されている情報を正確に読み取るスキルは今でも役にたっていて、東京ビジュアルアーツで学んできてよかったなと思いますね。


完成までに苦労したこと、それをどのように乗り越えたか教えてください。

今にも動き出しそうな、まるで生きているように見せることは至難の業でした。どんなにスキルがあったり知識があろうとも、作品が生きているかどうかは別問題ですからね。身近にいる友人に同じポーズをとってもらい、見比べて何度も手直しをして制作していきました。


今後の作品作りでチカラを入れていきたいことは?

「生きる」とはつまり「存在すること」なので、存在感を感じる作品を作っていきたいですね。そのために人体や、心理など人間に纏わることをもっと勉強しなければと感じています。学生時代も特殊メイクの知識の他に、自主的に解剖学を学んでいました。特殊メイクは特に作るものを理解できなければ何も作れません。まずは基礎となる骨格、筋肉の役割、脂肪のつき方などを頭に叩き込んでから作業すると、驚くほど捗りますからね。勉強し続けなければならないと思っています。


卒業後の目標を教えてください

今は映画やドラマなど映像媒体での特殊メイクと、特殊造形の制作もおこなっています。博物館などにある展示物の制作も仕事の1つです。なのでこれまでに手に入れた制作におけるスキルや現場での経験を組み合わせて、今後もどんどん新しいジャンルを開拓していきたいと思っています。自分が制作した作品を見て、人が感動してくれた瞬間にやりがいを感じるので、そんな作品を作っていきたいですね。


進路選びをする高校生に向けてアドバイスを!

特殊メイクの世界は狭いようで、実はとても広い分野です。造形や、着ぐるみ制作、アニマトロニクスなど、一見特殊メイクとは関係が無いように感じるジャンルでも仕事になったりします。なので日頃から常に幅広い興味の視点を持つことがとても大事です。進路を選ぶ中では、「これがやりたい」という直感に従ってください。行動しなければ何も見えてきません。そして若ければ若いほどいくらでもやり直しはできます。行動して失敗して学ぶを繰り返せば繰り返すほど、それは情熱に変わっていきます。好奇心の赴くままに行動し、沢山失敗して経験を積んでください。


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